トン、トン、と軽やかに、
四角い画面を弾く指先。
「旅程が進むほどに、
色が増えていったの」と、
彼女が傾けたモニターに映る景色は――
都の石畳、澄んだ境内、
柔らかな着物、橙色の八ツ橋。
自由で、軽やかな、琴の音色。
額を寄せ合う友の横顔。
うなる風に、並び歩く背、東雲の空。
――きらめく、日の出。
「自由……いえ。
自由を信じる心とは、尊いのね」
「私は愚かでした。
初めからすべてを決め切っていて、
そのうえそのことに
気づいてすらいなかった」
四角く収めた景色の、
外側までをも思い出すように
繰り返し繰り返し、
その指先は画面を弾いた。
トン、トン、と景色は変わる。
自由に、軽やかに。
記憶をなぞり、奏でるように。
四角い画面を弾く指先。
「旅程が進むほどに、
色が増えていったの」と、
彼女が傾けたモニターに映る景色は――
都の石畳、澄んだ境内、
柔らかな着物、橙色の八ツ橋。
自由で、軽やかな、琴の音色。
額を寄せ合う友の横顔。
うなる風に、並び歩く背、東雲の空。
――きらめく、日の出。
「自由……いえ。
自由を信じる心とは、尊いのね」
「私は愚かでした。
初めからすべてを決め切っていて、
そのうえそのことに
気づいてすらいなかった」
四角く収めた景色の、
外側までをも思い出すように
繰り返し繰り返し、
その指先は画面を弾いた。
トン、トン、と景色は変わる。
自由に、軽やかに。
記憶をなぞり、奏でるように。