からから、からん――と。
百草【ももくさ】たちが跳ねて、
ガラスの器に音を立てる。
水を注げば楽しそうにくるくると泳ぎ、
常の光景に、ふわり、と心が緩む。
ふつ、ふつ、ふつ――
夜に混じる湯の香気が、
ふと、来し方を思い起こさせる。
外出も叶わなかった、
幼きあの日の切なさが、
今はひどく遠いものに思えて……。
「日々の重なりとは……
まこと、侮れぬもの……」
来る日もまた明くる日も、
欠くことなく自らを整えてきた。
明日、またその先も、
欠くことなく己を労るだろう。
その重なりがいつしか、
駆ける力を与え、
より遠くを想う力を私に与えてくれた。
「ほほ……斯様に日々が積もること、
まことに、重畳――
どれ、明日も悠悠閑閑まいるとしようか」
ことことと鳴る湯の音を聞きながら。
そっと夜は更けていくのだった。
百草【ももくさ】たちが跳ねて、
ガラスの器に音を立てる。
水を注げば楽しそうにくるくると泳ぎ、
常の光景に、ふわり、と心が緩む。
ふつ、ふつ、ふつ――
夜に混じる湯の香気が、
ふと、来し方を思い起こさせる。
外出も叶わなかった、
幼きあの日の切なさが、
今はひどく遠いものに思えて……。
「日々の重なりとは……
まこと、侮れぬもの……」
来る日もまた明くる日も、
欠くことなく自らを整えてきた。
明日、またその先も、
欠くことなく己を労るだろう。
その重なりがいつしか、
駆ける力を与え、
より遠くを想う力を私に与えてくれた。
「ほほ……斯様に日々が積もること、
まことに、重畳――
どれ、明日も悠悠閑閑まいるとしようか」
ことことと鳴る湯の音を聞きながら。
そっと夜は更けていくのだった。